2015/10/19

SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA


東京都美術館で行われていたショートショートフィルムフェスティバルに行ってきました。
私は"Hollywood Star Short Film Program"ってことで、スターが出てるやつを観に行きました。
ネット探してみたらいくつか動画があったので、感想とともに載せておきます。

1. New { fake } Trailer


New {fake} Trailer from David Walton Smith on Vimeo.

一瞬で終わってびっくりした笑
スローモーションで歩く男というわりにそこまでスローモーションに見えないし、ビル・マーレイを贅沢に使っているなあという感想しかないw


2.The Ventriloquist




ちょっとホラーな感じ漂う作品。
人と会話するとき腹話術人形に頼っていた主人公が、意中の女性にフられたことをキッカケに頼るのをやめ人と向き合うことにした…ってことだと思うんだけど、なんかケビン・スペイシーが若い女の子に入れ込んでるちょいキモいオジサンにしか見えなくて「あ、はい…」って感じ…


3. The Visible Hand


"La mano visible" aka The Visible Hand | Sundance Short Film Challenge from Sundance Institute on Vimeo.

勝手にガエル・ガルシア・ベルナル「主演」だと思ってたから、最後らへんまでいつ出てくるんだろう…?って探してた笑
「監督」でした。コレはまぁなかなか短い時間ながらも引き込まれて、この髪を切られてる女性は凄く神経質そうだけどどうしたんだろう?とか、結局髪の毛切られちゃう息子は普段からこんな感じなんだろうなあって色々登場人物の背景を想像する楽しみがあった。美容師の女の子めっちゃいい子だし可愛い。

4.Nice To Meet You



逃げてるジェイミー・ドーナンから始まってちょっと引き込まれたんだけど、最後に何かtwistがあるのかと思ったらなんの捻りもないオチで、そっちの意味でびっくりした。笑
イギリスの街並みや家を見て、留学時代を思い出してw、若干意識がそっちにいってたりもした。
正直何が言いたかったのかわからんなーって感じ…


5.Ticky Tacky



これが一番面白かった!というかちゃんとまとまっていた笑
いちいち動きがオーバーなオスカー・アイザックが可愛いし、その手下(?)の子供も可愛い。
お話自体はありがちなネタだしオチも別に目新しさはないんだけど、画として見てて楽しいので最後まで面白く観れる。…なのにコレ、ネットにあがってない…!!なんで!!何回か見たかったのに!
というわけでとりあえず予告編をあげておきますね。

6. Emily



コレも予告編しかなさそう。コレは~~まあ普通でした。上映後に司会の人が「この作品は監督(だったはず)がフェリシティのために書いた作品で、脚本を読んだフェリシティが気に入って作った」って感じの事を言ってたんだけどなぜ気に入ったのか分からないくらい別になんでもない作品だった…
もしくは私が本質を見抜けていないのか…わからん…でもカフェでおじさんを口説いてるあたりの二人の会話はちょっと楽しかった。


以上こんな感じです!ショートフィルムをいっきに見るっていうのが初めてだったのでなかなか面白かったです。でもやっぱり短い時間で面白く、まとまりのあるものを作るのってやっぱ難しいのかな~って感じ。っていうか単純にやっぱり自分は長編映画の方が好きなのかなあ。


でもまた何か機会があればこういうの見てみたいなと思いました!長編映画は観るのによし見るぞ~!って感じがいるけど(90~120分かかるし)、ショートフィルムはサクッと見れるのでこれはこれで良いですね。

2015/10/04

ハッピーボイス・キラー

The Voices
2014, アメリカ・ドイツ
監督 マルジャン・サトラピ
あらすじ: バスタブ工場の配送部に勤めるジェリーは、経理部のフィオナに恋心を抱いていた。会社のイベントを通じて親しくなった二人だが、ある夜、事故によって彼女を殺してしまう。証拠隠滅の為彼女の死体を家に持ち帰ったジェリーは、彼女の首を冷蔵庫に住まわせることにする――

あらすじが難しいなあ!これにプラスして、ジェリーには秘密があって、飼っている犬と猫とおしゃべりすることが出来るのです。笑

飼っている犬や猫が喋るし、殺してしまった女性(首だけ)を冷蔵庫に住まわせ会話する…ってだけで変な話なんだけど、主人公のジェリーにとってはそちらのほうが"現実"なので、こちらとしてもそんなにひっかからないし、ユーモラスにすら見える。
でも、コメディ色が強いかというとそうでもないんだよね。常に不穏な感じ。

よく漫画なんかで、脳内の善の自分と悪の自分が出てきたりするけど、この映画では犬のボスコが善の自分、猫のMr.ウィスカーズが悪の自分、ってな感じで面白かった。彼らは自分自身でもあり、同時に客観的に自分を見つめる存在でもある。

首だけになったフィオナの言う、「友達を連れてきて!」ってセリフは、ジェリーの心の叫び(独りは寂しい、友達が欲しい)でもあるのかなと考えると、悲しくなる。劇中ではボスコとウィスカーズと一緒にテレビを見たり、彼らにフィオナと踊ったんだ!って一日の報告をしたり…そういうのを、本当は母親であったり、友人としたかったんだろうな、って思ったら、もう現実なんて見なくていいよ!って思っちゃう。

本当に、ジェリーにとっては現実の方が悪夢なんだ。独りぼっちで居る事は耐え難く、そんな生活に現れたフィオナは天使のように輝く存在だったに違いない。リサと朝まで一緒に居て、普通の恋人同士みたいになってたシーンを見て、もうこのままジェリーに幸せになって欲しい…と思ってしまった…フィオナには申し訳ないけど。
それぐらい、ジェリーに肩入れしちゃってた。
彼は「独りじゃない」ってずっと知りたかっただけなんだよなあ…

…とここまでだいぶ彼に感情移入してる感じなんだけど、よくよく考えるとフィオナに対してごめんね、ごめんねって言いながらお腹ぶっ刺しまくってるのとか最高にクレイジーだし、リサもアリソンもめちゃくちゃ可哀相なので正直同情の余地はないんだよね!笑


ライアン・レイノルズは、ジェリーそのもので、目の奥が笑ってない感じとか、純粋そうだけど奥にどす黒いものがある感じとかが完璧で、( この映画においてはいい意味で )気持ち悪かった笑
それに、最近見た「チェンジ・アップ」という映画では(映画自体は数年前の作品)全然真逆な感じのキャラクターを演じていて、それも上手くて、なんだかライアン・レイノルズの事を見直してしまったよ!ボスコとMr.ウィスカーズのセリフも、各々訛りがあるから、別々の人が声をあててたのかと思ってたら、どっちもライアン・レイノルズがあててたって知ってびっくりした。本当、すごい!

死体解体シーンに関しては、直接的な描写はないけれど音が生々しいのと、どんどん積み上げられていく不気味なタッパーだけでも充分怖かったな。

いわゆる"我々にとっての現実"に戻った瞬間がめちゃくちゃホラーだった。確か二度ほどあるんだけど、中盤、とある訪問者によりジェリーの行動を第三者的に見ることになったときが特に恐ろしかった。猫が。無言なのにめちゃくちゃ怖い。笑


そしてエンディング、最高でした。もうああいうの出されるとズルいなーと思う。
ネタバレしたくないのでググっちゃダメだよ!(あと出来れば予告編も観ないでほしい…!)

涙を流す彼の悲しみも、素敵な朝を迎えたときの喜びも、辛い現実から目を背けたい気持ちも、全部わかるから、ラストがとても切ない。皆誰かに愛されたいだけ。でも、終わりよければ全てよし。ジェリーがハッピーなら私もハッピー!Sing a happy song!