2015/01/09

ゴーン・ガール

Gone Girl
2014, アメリカ
監督 デヴィッド・フィンチャー
あらすじ:結婚5周年の日の朝、ニックは家が荒らされ、妻のエイミーが消えていることに気づく。有名な作家の娘であるエイミーの捜査は大々的に行われ、テレビでの報道も過激になっていく。次第に人々は夫であるニックのことを疑い始める。彼こそが妻を殺した張本人なのではないか――?

予告と皆様の絶賛などを受けて非常に高いハードルで鑑賞したら、意外とアッサリとした映画だったのでびっくりしました。いやアッサリはしていないんですけど、なんかこう、もっと衝撃的なビリビリと口の中で暴れまわるような料理かとおもって心してみたら凄く食べやすかったっていうか、なんだこのたとえ。とにかく面白かったです。面白かったですで片付けてしまう自分の語彙力が辛い。

一応2014年に鑑賞した映画のベスト10にいれる程度にはすきです。本当にね、エイミーに振り回される映画でした。でもなんだか癖になる映画で、見終わってからじわじわとああまた見たいなあって気持ちにさせられるんですよね。149分と知らずに見に行ったせいかも知れませんが、長さは感じなかったです。もうとにかくどうなるんだろうってお話の先が気になっちゃって。

何をしゃべってもネタバレになる、というような触れ込みの本作ですけど、まあ…どうなんですかね、最初に言った通りあんまりにもそういうネタバレ云々のところで期待していっちゃうと肩透かしを食らう可能性があるのであんまりそういう煽りのようなものは言わないほうがいいのかなあと思うんですけど、まあでもやっぱり何も知らずに見るに越したことはないと思うので(この作品に限らずともね)、まだ映画観てないよって人はとりあえず観に行ってください。

※以下、ネタバレ有




ロザムンド・パイクですが。見終わった後は彼女のキャラクターはすごいけどそんなにみんながアカデミー賞騒ぐほどかなあ?と思ったんですけど、見ながら「この女…!」って感じでかなり憎しみも持ったし、エイミー、あのベッドでスパーン!なシーン(最高でした)の思いっきりの良さとかに関しては違う意味で「この女…!」とかかなりハマってみてたのでそこまで引き込まれてたこと考えたら確かにすごい演技だったんだろうなって。

まあ本当見ている最中はエイミーにムカついて仕方なかったんですけど、今になってみると彼女(エイミー)の幼稚な部分とか、垣間見える乙女な部分が愛おしく思えてきちゃって。なんだかんだでニックが彼女から離れられないのもわかる…かな…たぶん…笑

でもまあ、小さいころから「アメイジング・エイミー」と比較され続けりゃあひねくれもするよなっていうか。まあひねくれっていうかサイコパスというか…って感じですけど…
自分の人生の障害になるものは躊躇いもなく切り捨てて、必要なものは手段を選ばずに手に入れるの、潔くて素晴らしいとも言えますよね。

デジーにも本当にムカつきました。彼が見ているのって結局"彼にとって完璧なエイミー"でしかなくって、エイミー自身じゃないんですよね。髪の毛を昔みたいにして、化粧もして、そしたらまた君らしくなるよってそれ単にお前がそうあってほしいだけだろ…っていう。
これ完全に私の実生活の話で申し訳ないんですけど、恋人と会話してて、「(あの頃くらいの長さに)髪切らないの?」とかそれに近いこと最近何度か言われる機会があって、そのたびにヤツがデジーに見えるし自分がエイミーになった気持ちになる程度には映画に毒されてます。よくないですね。現実と虚構はきちんと区別しましょう。いやもちろん普段はできてるんですよ…、もういいかこの話。

ベン・アフレックは本当にはまり役だったと思います。
ケツアゴのやつって原作にはないんですね。観てる間は原作にもケツアゴの描写があって、だから彼をキャスティングしたんだと思ってました。
そんな彼なら捨てちゃえば?のベン・アフレックがすごくズルい役で、それ見てからファンになってしまったので(単純)今回も最初から、エイミーを殺したんじゃないの?って疑惑が晴れない間もなんかニックのことを応援してしまって…なんだかちょっと情けない感じの、支えてあげたい!感が醸し出されてて非常に良かったです。

でもあのロマンチックな思い出と全く同じことを浮気相手にするのは最低だ…彼は何人もの女性に同じことしてきたんだろうか…。浮気相手が自分より若くてバカなのも侮辱的だよね。
そんなやつのために完全犯罪の仕上げとしてエイミーが死ななくてよかったですよ本当。

ラストで、ニックの双子の妹のマーゴが泣きじゃくるところがちょっとひっかかってたんですが、(その前に近親相姦だなんだっていうのがあったので)今考えるとまあ自分の兄弟が理不尽な状況に置かれてその原因を作った相手は何のお咎めもなし…となれば怒りと遣る瀬無さから泣きじゃくるのは当然かなーって感じですかね。

相変わらず音楽も良くて。終盤、エイミーが家に帰ってきてからのシーンで、穏やかなのに不安感を煽る曲が流れていて、見事にすごく胃がモヤモヤする気持ちにさせられて、なんだこの映画最高だなって思いました。

なんかもっと色々言いたいことはあったとおもうんだけど忘れちゃった。とりあえず今は2回目がみたくて仕方がないです。

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