2014/10/10

フランク

FRANK
2014, イギリス・アイルランド合作
監督 レニー・アブラハムソン
おはなし:ひょんなことからあるバンドに加入することになった青年ジョン。バンドのリーダーのフランクは、四六時中、奇妙な被り物をしている謎めいた男だった。バンドメンバーはそんなフランクに信頼と尊敬の念を寄せており、ジョンもまた、破天荒な魅力をもつフランクに次第にひかれていく。(映画.com)

フランク観に行ってきました。内容は余り知らず、被り物をしているフランクをマイケル・ファスベンダーが演じていて、バンドの話である、あとはフランクのモデルは何人か居てそれらを組み合わせて作られたキャラクターである、くらい。

あまりハマれなかったとかの感想も読んだりしていたので、あまりハードルも上げずに見れましたが、結論から言うと私もハマれなかった。正直見てる最中内容的にはDVDでも良かったかなあと思ってしまいました。

そんなに自分の好きな感じのお話でもなかったし、出てくる登場人物、特にマギー・ギレンホール演じるクララが好きになれなくって。私がそもそもマギー~好きじゃないってのもあると思うけど笑
ナナとフランス人のバラクもあんまり好きじゃないな…とにかくバンドメンバーたちの雰囲気が私の苦手なタイプの人間だったというか…

主人公って割と一番共感、感情移入するキャラクターだと思うのですが、ジョンをバンドメンバーが全然受け入れないので、そこが拒絶されてしまうとなんとなく自分も一緒に疎外感があって、それで結局最後まで割と映画にあまり馴染めずに終わってしまったなあって(フランクは若干受け入れてたのかな)。

ジョンは一応フランクとドンに認めて貰って(?)バンドに入って、行き過ぎていたとはいえ入ったからには自分も役に立ちたい思いで関わっていっていたのに全然受け入れてもらえない、なんとかバンドにしがみつくためにへそくりとか使ってて(その方法が正しいとは思わないけど)一緒に居たりとかまでしたのに…とかいうのを見てるとどうも彼の事を責められはしないよなあと思ってしまって。一人じゃな、しかもなんかすごいバンドで一緒にやれる楽しさで暴走してしまったのはアチャーと思いつつ分かんなくもないなと。

それに対して他のバンドメンバーが最後まで割と冷たいのが見ててちょっとつらくもありました。
まあバンドからしたら突然変な奴が加入してでしゃばってきたらウザいとは思うんですけど笑

一応コメディなので、フランクのシャワーシーンとかあの粉がアレじゃなくてアレだったとか(ボカしてしまっているが故何が何やらって感じですけど)は笑えました。

うーんなんだろう、フランクのカリスマ性も正直あんまり分かんなかったですごめんなさい。
I love you all♬な曲は割と好きだけど、そんなに好きってわけでもない。笑



そういえばこの曲、即興でフランクが歌いだしたのをバンドメンバーが自然に合わせられて、わぁなんだかんだいってやっぱりこのバンドメンバーたちはお互いに信頼し合ってるし求めるものが一緒だからこんな風にできるんだろうな、すごいなあと思ったけど、よくよく考えたら別に即興ってわけでもない…?どっちだろ。まあどっちでもいいか。そんな感じです。

※以下ネタバレ








キーボードがやめて行ってしまうのって何かあるのかなとか深読みしてみたり。彼らはキーボードの人に関しては与えられた音を叩けばいいんだろうというような考え方なのかなあ。そしたらジョンみたいな自分も積極的にかかわりたいって人は合わないだろうなあって。だからこそ破滅的な方向に向かったんだろうな。でも単純にキーボードがっていうよりは、ジョンに対してキーボード以上の役割を求めてはいなかったんでしょうけど。

ソロンフォルブス(最後まで名前覚えられなかった)はフランクとドンとクララとナナとバラク、この5人でしか成立出来ないバンドだったんでしょう。だから次のキーボードもなんとなく馴染めずに思い詰めて冬の湖で入水自殺をはかろうとしてしまっていたんだろうなあーと。

彼の事見てたらなんか実在するバンドとかでコロコロメンバー変わるところってこんな感じなのかな…とか思ったり…すでにメンバーの中で空気感とか出来上がっていく中に飛び込んでいくのって大変だろうなー。

そういえばバンドメンバーが入水しようとしてるキーボードに全く興味がなさそうなところが怖かったですね。人が死にそうになってるのにね。


ドンが自殺してしまったのはショックだったなあ。
「フランクになりたい、才能があって羨ましい」「俺はこんな曲しか作れないんだよ」って言ってたのがずっと残っていて。(しかもこんな曲と言っていた割にはジョンのよりは全然マシっていう。)

近くに才能がある人がいると、その人と一緒にやれることが嬉しくももあるけど、同時に自分の才能の無さを実感して辛くなったりはあるだろうなあ。それで段々思い悩んでしまったのでしょうね。元々精神病院に通っていたりしていたみたいだから脆い部分はあっただろうし。一緒にやれる喜びもあるだろうけど、一緒にバンドをやるからこそ生まれる苦悩も物凄くあると思います。

首つった時もフランクを被っていたので本当に彼は最後までフランクになりたい、なぜ自分はフランク(のような人間)ではないのだと思い詰めてしまったんだろうな。

ドンの事勝手に焼いちゃうのはどうなの?って思いました。彼の家族の事とかはいいの!?って思っちゃって…ここらへんでよりいっそうソロンフォルブスに対してうわぁ…って感じで引いちゃってる自分がいました…。


結果的にはバンドをジョンがごちゃごちゃにしちゃったわけですが、それがあったからフランクが仮面を外せたのかなとも思うので良かった…とまでは言わないけどジョンがあのバンドに関わったのは悪いことだけではないよなって。
自分の事を隠している状態は悪いとは言わないけど、良い状態ともいえないと思うので、色々あったし彼らの人生に波も起こしてしまったけど、私はジョンのことはそんなに責められないです。
だから最後のジョンの後ろ姿は少し切なかったです。

そんな感じかなあ。こんなに長々と感想書くなんて自分でも予想外です。笑

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